エコール42 ー創立編ー

Ryota yaoi (nop)
13 min readDec 28, 2018

ある日のこと、

Xavier Niel氏:「現代の教育では、才能ある独創的な若者が生まれない。(嘆)」

Nicolas Sadirac氏:「それなら、IT教育者として15年のキャリアを持つ私の編み出した超斬新なカリキュラムを使った学校をつくれば、才能ある若者を育てることができますよ。しかし、建設費が半端ないのと毎年の経費がすごく、、、、。」

Xavier Niel氏:「金なら問題ない。」

Nicolas Sadirac氏:「5千万ユーロもかかるので、、、」

Xavier Niel氏:「金なら出すけど。」

Nicolas Sadirac氏:「えっ」

Xavier Niel氏:「えっ」

……数ヶ月後

エコール42の誕生

(※実際にあった会話ではありません。)

2013年にオープンし、革新的なプログラムで既にフランスで1、2を争うプログラミングスクール、エコール42とはどのようにして生まれたのでしょうか。

斬新なモデムと新しいネット・サービスで通信市場に参入し、フランスのネットサービスや通信サービスと価格競争の中心プレイヤーとなった会社、その名もfree

フランス人なら誰もが知るその会社の創設者、Forbesによると世界で186番目にリッチなお方がザビエル・ニエル(Xavier Niel)氏です。それと、2017年にStation Fという世界最大のインキュベーション・ステーション(34,000㎡)をパリに建てた方でもあります。

ザビエル・ニエル(Xavier Niel)Copyright © Laurent Belando

このザビエル氏と一緒にエコール42の共同創始者となったニコラ・サディラック(Nicolas Sadirac)氏は、EPITA(École Pour l’Informatique et les Techniques Avancées)でシステムやネットワーク、セキュリティー分野の教師として活躍した後、EPITECH (École pour l’informatique et les nouvelles technologies) という学校を1999年に創立しました。EPITECHは、42と同じでプロジェクトベースラーニングによるカリキュラムです。

エコール42との違い:

・学費がとても高い(第1、第2学年6,630€、第3、4、5年生8,580€、学生登録料が毎年990€ )
・学生のプロジェクトを評価してもらう時には、学年が上の先輩に評価してもらう
・1年の海外留学が義務づけられている
・五年のカリキュラム
・卒業すると、国からエンジニアの資格をもらえる
・18ヶ月の企業研修が必須
・法律や財政についても学べる
・バカロレアが必要

その他にも、Web@cademieというウェブを学ぶための私立学校(学費無料)を作った人物です。数あるプログラミングスクールを作り、独創的な教育システムを作り出して、才能ある若者を世に輩出してきた人物がサディラック氏です。

さて、42についてザビエル氏が語る動画を元に、エコール42を創立するに至る理由を探りたいとおもいます。

20年間、ずっとITビジネスで生きていたザビエル氏がいつも常に抱えている課題は、

『どうやったら才能ある人材をリクルート出来るのか?どうやってイノベーティブでイノベーティブなものを創り出し、イノベーションを起こせるようなソフトウェアを作れるデベロッパーを探すのか。』

Xavier Niel氏:

今、従来の教育モデルは立ち行かない状況にあります。その問題のいくつかのうち、誰でもが入れるオープンで無償だけど産業界が求める人材を輩出することに対応出来なくなっている公立大学と、産業界が求めるような十分に有能な人材を輩出するけれど学費が高くて誰しもが入れるわけではない私立学校という2つの問題に挟まれて、我々はどうにもならなくなっています。

我々が欲しい人材を育てられる私立は誰もが入れるわけではないので、将来、才能が開花するかもしれない有能な人材や天才達を道端に放って置くような状態にあります。フランスでは今、この分野で素晴らしい可能性を秘める多くの人材が道端に放り出されてしまっているのです。ですので、これまでとは違う教育モデルを検討しなくてはいけなくなっています。

これまでやってきた先生が生徒の前で講義をするやり方は放棄しないとダメです。この従来の方法は、この分野で我々が必要としている未来の人材が持つ才能を伸ばせなくなっています。

では、システムを変えるとはどういうことか?システムを変えるということは、ずっと昔からやっている教育方法とは異なるやり方でやるということです。

先生が生徒の前で講義し、生徒がつまらなそうにし、うんざりする。もうこんな教育システムはIT分野の人材を育てるには適していないのです。教育システムを変えて、他とは違う誰しもが入れるような学校をつくる必要があるのです。ドロップアウトした者の中には我々が求める天才が生まれてくるかも知れないし、バカロレア(フランスの高校卒業試験)がなくとも、そのジェネレーションでピカイチのデベロッパーになれるかも知れない人材がいるんです。そのための教育システムを動かすには、経済的なバリアーをなくさなくてはなりません。だから、今までにない学校を創ろうということの次にくる2番目の狙いは、この経済的な障壁をなくして多くの人がこれにアクセスできるようにしようということです。

つまり、我々の目的は、今までの学校とは違うやり方で、資格があろうとなかろうと誰にでもオープンであり、学費が無料な学校を創ることなんです。そういう学校をパリに創ったんです。多くの若者たちが入ってきて、これから始まろうとしています。

シンプルですが、私から皆さんに向けたメッセージがあります。

やりがいのある仕事を見つけたいなら、フランスの未来を作ってみたいなら、イノベーティブな今までにない会社を立ち上げたいなら、42へ来て我々と一緒にやりましょう。一緒にすごい未来の会社を創っていきましょう。君たちを待っています。

以上、彼のインタビューを大ざっぱに訳してみましたが、これに僕なりの解釈を付け足して適当に要約すると、

世の中にイノベーションを起こせるようなソフトウェアを作れるデベロッパーとは、デベロッパー自身がすでにイノベーティブでなければならない。

でも、今のフランスの教育システムではザビエル氏が求めているイノベーティブな人材を確保できないので、バックグラウンドに関係無く入れて(学歴が無くても入れる)、学費が無料で、自分たちで学ぶことで才能を発掘、伸ばしていけるような今までにない革新的な学校を(サディラックと一緒に私財を投入して)自分で創ったということです。

それが、エコール42です。

ハッカー(一度、内務治安総局に誘われたとかないとか)として、また実業家として数々の会社を創業し、常に新しいことに挑み続けているザビエル・ニエル氏だからこそできる偉業ですね。従来のフランス教育を変革しようとしていたニコラ・サディラック氏にポンと巨額の資金を出して42を創立。

フランスの行政がこの42を全面承認しているわけではありません。フランス高等教育研究省の規定を全く気にせず、認可も受けていないので、当然、42を出ても国の資格はもらえません。学歴社会のフランスでは超異質。でも、42そのものがアイデンティティの1つ。

ピシーヌを受けた時、僕は19歳でした。今のところ高卒の資格しかありませんが、高卒の資格を持ってない友達もいっぱいいるし、いろんな仕事を経験して入ってきた社会人も多い。年齢(学生の平均年齢はだいたい26ぐらいですね)もバックグラウンドも違うけど、学校ではみんな同じ仲間で自由で個性的。プログラミングを対等に思いっきり熱く語り合えます。

最後に、42をベースとした他の学校も紹介したいと思います。

WeThinkCode (南アフリカ)

WeThinkCodeのプロモーション動画

・Unit Factory (ウクライナ)

Le 101 (リヨン、フランス)

19 (ベルギー)

1337 (モロッコ)

1337のプロモーション動画

Codam (オランダ)

コダムの校長による学校の紹介。42の元スタッフ。愛称はトール(Thor)

21 (ロシア)

Acadamy+ (モルドバ)

おまけ(42についてザビエル氏が語る動画のフランス語字幕)

Bonjour, ça fait 20 ans que je travaille dans l’internet et depuis 20 ans j’ai toujours le même problème.

Le principal problème de mon métier est toujours le même. Comment recruter des talents. Comment trouver des développeurs dont nous avons besoin pour faire pour créer des logiciels qui vont nous permettre de créer des produits innovants d’être innovant et de faire des choses innovants.

Aujourd’hui le système français ne marche pas. Il est coincé entre plusieurs chose, entre université qui va amener une formation pas toujours adapter au besoin des entreprise mais gratuit accessible au plus gros nombre et puis dans le même temps des écoles privées chères mais qui va avoir une formation assez qualitatifs de leur élèves mais non accessible au plus gros nombre et qui va laisser sur le côté de la route des gens qui sera devenu des talents et des génies et qui vont même laisser plus gros nombre des talents et des génies que nous pourrions trouver en France.

Sur la base de ce constat, j’ai discuté avec un garçon que je connais depuis longtemps qui s’appelle Nicolas Sadirac qui a créé les plus grandes écoles informatiques privées de notre pays et nous partageons entièrement avec Nicolas ce même constat et nous somme dits que si on faisait rien, rien ne passerait qu’il fallait changer les choses.

Changer les choses ça veut dire envisager un mode de formation différent. Abandonner la structure classique de l’enseignement tels qu’il est fait en France. C’est à dire un prof devant ses élèves qui va faire des cours magistraux. C’est un système inadapté à la formation des talents dont nous avons besoin. modifier le système ça veut dire quoi. Ça veut dire apporter d’abord une formation différente qui ne pose plus sur des choses classiques qu’on voit depuis toujours. C’est à dire un prof qui est la et puis des élèves devant qui est la qui s’ennuient qui ont en marrent. Ça c’est le système éducatif qui ne marche pas et qui n’apporte pas la bonne formation.

Donc un besoin de changer le mode d’apprentissage, d’avoir un mode d’apprentissage différent et puis permettre à tout le monde d’accéder à ces écoles. C’est à dire on peut être en échec scolaire et pourtant correspondre à ce qui est un génie informatique. On peut ne pas avoir bac et pourtant on peut devenir le développeur le plus brillant de sa génération et pour faire ça il ne faut pas qu’il y a une barrière financière. Nos 2ème volonté est de supprimer la barrière financière. Donc à la fois accepter tout le monde avec ou sans diplôme et de supprimer la barrière financière donc de faire une école entièrement gratuite.

Cette école est basée à Paris, aujourd’hui. Elle accueillera grand nombre de jeune. On commence maintenant.

Moi j’ai envie de vous dire quelque chose qui est simple.

À ceux qui veulent un bon métier, à ceux qui veulent nous aider et à celle qui veulent nous aider à créer la France de demain, créer les entreprises innovants de demain. Moi je vous dis une chose, rejoignez nous, venez chez 42, rejoignez nous. Aidez nous à créer les belles entreprises de demain. Les entreprise innovantes de demain.

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